挿絵1

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「やっと来たか」
何事かあったのかと急いでやってきたというのに、皇帝ーーアクドス・ギルはさして焦っている様子はなかった。
軍内部では大騒ぎになっていたのだ。
さして苦戦しそうにもない惑星の侵略に、皇帝自ら出陣するということは、それだけで根も葉もない噂となって広がっていた。
それを知っているから、ダマラスは、緊急事態でないことには安心するも、呼び出された意図が判らない。
「陛下、何か御用でもありましたか」
「いや、私は特になにもないのだが」
敬礼して顔を上げると、涼しげな様子で、アクドス・ギルがそう告げた。
「ダマラス、やっと来たのか!」
司令室の扉が開く。
中に入って来たのはーーワルズ・ギルだった。
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(綾瀬清美様 『遠い記憶」より)




挿絵2

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ダマラスは、ゴーミンたちに捕まえた海賊をその場に残して立ち去るように命令した。
残ったのは、ダマラスと赤き海賊団と呼ばれる海賊の男だけ。
ワルズ・ギルは、ダマラスからは見えないであろう場所に立つと、中の様子を伺う。
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(綾瀬清美様 『遠い記憶」より)


[解説]
綾瀬清美さんの小説の挿絵を描かせてもらいました。
黙さん激辛さん中心の作品です。……いつもふざけた絵ばかり描いているので良い刺激になりました。
綾瀬さんのサイトはこちら